本調査は日本内部監査協会が会員および非会員の企業に対して内部監査の実施動向をアンケートしたもので、904社の動向をまとめたものです。
この調査結果から企業が監査対象としている業務の順位と監査テーマ・内容がわかります。調査結果を以下のとおり整理してみました。項番は2008年度の順位です。
- 営業業務(→前年1位)
- 販売計画、・要員配置の妥当性、販売先与信管理の妥当性、赤字受注の判断の妥当性等
- 全般管理・組織・制度(→前年2位)
- 稟議制度の運用状況、方針管理制度の運用状況、経営理念の浸透状況等
- 経理業務(→前年3位)
- 現預金の管理状況、各種伝票・証票の管理・保管状況、各種勘定科目の残高の確認状況等
- 関係会社とその管理業務(↑前年5位)
- 子会社・現地法人での内部統制の構築・有効性、子会社の各業務の直接監査、子会社の活動状況等
- 総務・人事・厚生業務(↓前年4位)
- 勤怠管理の状況、給与賞与計算の妥当性、時間外勤務・長時間労働・離職率の管理状況等
- 情報システム(↑前年7位)
- 情報システム投資計画の妥当性、情報システムの関連資産台帳の整備状況、システム開発要員とシステム運用要員の分離牽制の状況等
- 購買業務(↓前年6位)
- 購買計画の妥当性、購買先の選定基準、与信管理の状況等
- 棚卸資産管理業務(→前年8位)
- 在庫計画・在庫水準の妥当性、受払帳票の確認、棚卸資産台帳の整備状況
- 固定資産管理業務(→前年9位)
- 固定資産投資計画・投資権限枠・固定資産関連人員計画等の妥当性、競合見積の実施状況、購入・リース判断の妥当性等
- 外注管理業務(↑前年11位)
- 技術部門での内・外作の判断の妥当性、外注選定基準の妥当性、与信管理の状況等
- 製造業務(↓前年10位)
- 生産計画の妥当性、ISO・HACCP・製造物責任法・食品安全システム(AIB)などへのコンプライアンス、産業廃棄物管理の適法性等
- 物流業務(↑前年13位)
- 物流計画の妥当性、物流業者選定基準の妥当性、競合見積の徴収状況等
- 環境管理業務(↓前年12位)
- ISO・労働安全衛生法などへのコンプライアンス、産業廃棄物処理・ごみ分別処理の適法性、取引先環境評価の状況等
- 研究開発業務(→前年14位)
- 研究開発テーマ選定基準の妥当性、研究開発支出の妥当性、研究開発の進捗評価基準の妥当性等
- その他
- 安全保障貿易管理の状況、デリバティブ取引の状況、従業員持株制度の運用状況等
当然ながら、会社により監査テーマは異なりますが、他社の動向を知ることで自社の監査のテーマを確認・見直しするよい機会になると思います。また、本調査は毎年実施されていますので年毎の状況変化も反映されることでしょう。監査テーマの選定に是非活用したいものです。
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